どんなことでも今回のお葬式も、ご縁のある方からのご紹介でした。
ご紹介者様からは、事前にこのような伝言をいただいていました。
「とてもお母さん想いの優しい息子さんです。どうか悔いのないお別れをお願いします」
お母様と息子様は、母一人、子一人で、長い年月を支え合ってこられたご家族でした。
故人様は、長年にわたり仕事を続けてこられ、ご友人も多く、とても活動的な方でした。
海をこよなく愛し、特にスキューバダイビングがお好きだったそうです。
亡くなる前には、ご家族様が病院に泊まり込み、最後までそばに付き添われました。
そして、故人様の大好物だったお寿司も、召し上がることができたそうです。
病院の方からは、
「最後にご本人の希望を叶えることができたことは、故人様にとっても、ご家族様にとっても、本当に良かったことだと思います」
と伺いました。
最期の時間に、大好きなものを味わうことができたこと。
そして、その時間をご家族様とともに過ごせたことは、息子様の心にも大切な思い出として残ることと思います。
お式は、宗教儀礼にとらわれない「一日葬の無宗教葬」で執り行うことになりました。
無宗教葬には決められた形式がないからこそ、
「どのような時間を過ごしたいのか」
「どのように故人様をお見送りしたいのか」
ご家族様のお気持ちを一つひとつ伺いながら、お式を組み立てていきます。
今回は、皆様にキャンドルを灯していただく献灯のお時間を設けました。
また、ご焼香を希望される方のために焼香台もご用意し、それぞれの方法で故人様にお気持ちを届けていただけるようにいたしました。
そして献奏には、故人様が生前大好きだった曲を選ばせていただきました。
式場には、故人様がお好きだった品々が飾られ、大好きだった沖縄の美しい海の写真や、ご家族様との思い出の写真で埋め尽くされました。そして棺の上にはお孫様たちが折られた鶴が供えられました。
一枚一枚の写真から、故人様が歩んでこられた人生と、ご家族様やご友人様との深いつながりが伝わってきます。
祭壇は、紫色を基調とした洋花に胡蝶蘭を添えました。
シンプルな中にも気品があり、故人様にふさわしい、とても素敵な祭壇となりました。
大好きな海の写真と音楽、優しいキャンドルの灯り、そしてたくさんの思い出に包まれながら、お式は終始和やかな雰囲気の中で進み、無事にお見送りを終えることができました。
今回は、ご親族様の皆様や喪主様ともゆっくりお話しする時間があり、葬儀にまつわるさまざまなお話を伺いました。
その中で、私自身も改めて考えさせられました。
葬儀社の役割とは何か。
私たちは、誰のお気持ちに一番寄り添わなければならないのか。
もちろん、故人様を大切にお見送りすることは、私たちの大きな使命です。
それと同時に、深い悲しみの中にいるご家族様が、悔いを残すことなく「ありがとう」と伝えられる時間をつくることも、葬儀社の大切な役割なのだと思います。
ご家族様によって、故人様との関係も、悲しみの形も、望まれるお別れの方法も異なります。
だからこそ、決まった形に当てはめるのではなく、その方のお話に耳を傾け、そのご家族様にとって本当に必要なお別れを一緒につくっていくこと。
それが、私たちの使命なのだと改めて感じました。
今回も、お客様から大切な気づきをいただいたお式となりました。
大切なお母様のお見送りをお任せいただき、心より感謝申し上げます。
故人様の安らかなご冥福を、心よりお祈り申し上げます。
参列された皆様の心に、故人様との温かな思い出がいつまでも残りますことを願っております。

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